印刷部数の大小を問わず多数のオーダーに同時に対応できる印刷システムを構築するとともに、インターネットでの受注体制を整備することで可能となったのが印刷通販サービスです。
印刷通販の普及にともない、多くの人々が手軽かつ廉価で印刷物を作れるようになりました。
そこで今回は、そんな印刷通販の利用方法、利用に際してのメリット、デメリットについて、従来の印刷会社と比較しながら紹介していきます。
【 目次 】
印刷通販のメリット・デメリットとは
印刷通販とはどんなものか、印刷通販の優れた点(安価、短納期、小ロット対応を可能にするシステムなど)についてご紹介します。
印刷通販のメリット
印刷通販とはインターネット上で印刷物を注文できるシステム全般を示します。
印刷通販はインターネット上で印刷物の作成に必要な一連の手続きを行うため、以下に紹介するように、発注側にとってさまざまなメリットがもたらされるのです。
低コスト
印刷通販は従来の印刷会社よりもコストを大幅に抑えており、最大で相場の半額ほどのコストで印刷を依頼することができるという非常に大きなメリットがあります。
印刷通販会社はインターネットから直接注文を受け付けて、印刷物の制作までにかかる交渉や手間を省略しており、対応可能な印刷物の種類を絞ることで、効率的に生産できる体制を構築しています。
こうした仕組み作りにより印刷通販は低コストを実現しているのです。
納期の自由度が大きい
印刷通販では納期に幅を持たせています。
たとえば、同じチラシ印刷でも早い場合には「当日印刷してすぐ発送」、遅い場合には「5〜6営業日後発送」でも対応可能というケースもあります。
このように、発注者のスケジュールに合わせて印刷物の手配を進めやすいのも印刷通販のメリットといえるでしょう。
24時間いつでも発注可能
印刷通販ではインターネットを介して、発注者はその場で金額を確認でき、入稿のための手続きを進めることができます。
これにより発注者は24時間いつでも、また全国どこからでも注文することが可能となっています。
プリンター使用・整備の手間が省ける
チラシやビラなど大量に用意する必要のある印刷物は、自前の印刷機で印刷したりコピーしたりするよりも印刷通販で印刷した方がコストを抑えることができます。
場合によってはプリンターの使用に不備が生じることで余計な時間的・金銭的コストが掛かってしまうこともあるかもしれません。
自力での印刷による不安を解消しつつ、さらに印刷物も高品質に仕上げられるため、時間的コストに余裕のない方は印刷通販を選択するのがおすすめです。
印刷通販のデメリット
「安い」「納期が調整しやすい」といった点でメリットのある印刷通販ですが、インターネットで注文を受け付けることによるデメリットも存在します。
サポートが少ない
印刷通販では注文をインターネットで受け付けます。
一連の手続きを踏んでデータを入稿すれば、後は出来上がった印刷物の到着を待つだけです。
「印刷前に文面や色味を確認するための校正用紙を出してほしい」ということになると、有料となり、校正用紙を出す必要があります。
特殊加工などのバリエーションが少ない
印刷通販は限定されたメニューを安価かつ迅速に行うことはできますが、メニューにない特殊加工や資材などを使った印刷には対応していないこともあります。
たとえば、「色紙を使ったパンフレットを作りたい」などの要望があっても、メニューになければNGとなります。
従来の印刷会社との違い
印刷通販と従来の印刷会社で大きく違っている点について紹介していきます。
印刷までの工程
印刷通販は印刷までの工程をインターネットで行いますが、従来の印刷会社は、営業担当者が受け付けます。
印刷通販では注文したら納品を待つだけですが、従来の印刷会社では文面や色味を確認するために校正紙を出すこととなっています。
また、従来の印刷会社では、期日や曜日の違いなどを見つけ、「これは印刷すべきでない」と判断すると印刷前に指摘することがあります。
見積方法
印刷通販では、インターネット上で、チラシやポスターといった印刷物のタイプ、判サイズ、色数、部数などの項目について回答する画面が設けられており、必要な項目に回答すると、金額や納品日が確認できる一覧表が出現します。
この一覧表から該当する枠シートをクリックすれば注文も見積書の発行も即座に行えます。
一方、従来の印刷会社では、営業担当者が注文を受け、過去の注文歴の有無、現在の版代、印刷代、用紙代、配送代、協力会社の状況などを確認しながら印刷費用を決定します。
そのため印刷通販のように迅速かつ自動的に金額を出すことはできません。
見積を出すのに数日かかるケースもあります。
値段
印刷通販では工場で作る印刷物の種類を絞り、対応可能な印刷物を全国から集め、大型の版に複数の版を集め、1回の印刷で作る印刷物を多くする工夫を行っています。
また、注文に備え、大量の用紙を在庫しています。
印刷通販ではこうした工夫で1つ1つの印刷物の価格を安くするビジネスモデルを構築しているのです。
一方、従来の印刷会社では、お客からの注文は個別対応が原則なので、印刷通販のように料金の体系化が進んでいません。
同じ会社でも営業担当者が違えば金額が変わることもあるのです。
納期
印刷通販では、納期を何日に設定するかによって金額も変わってきますが、予め納品日を設定することができるというメリットがあります。
印刷通販では印刷物が決められた日に確実に届くので、スケジュールや段取りが組みやすくなります。
一方、従来の印刷会社は、印刷工業の稼働状況によって納期が前後することがあります。
納品遅れによるトラブルを避けるためにも、「この日までには欲しい」としっかり伝えておく必要があります。
印刷通販におけるよくある質問
印刷通販を実際に行う場合、自分で印刷原稿を準備する必要があります。
ここでは印刷通販を行うにあたり、よくあるご質問をご紹介します。
テンプレートとは?
名刺、封筒などある程度、表現型式が決まっている印刷物で使えるひな形のことをテンプレートといいます。
テンプレートをベースにして、自分の会社名、氏名、住所などをはめ込んでいけば印刷通販に入稿するための印刷データを作ることができます。
ダイレクト入稿とは?
「ダイレクト入稿」は印刷通販会社が開発したプラグイン形式の入稿用ツールのことです。
「ダイレクト入稿」は非常に多くの人々が使っているIllustratorに組み込んで使います。
「ダイレクト入稿」を活用することで、Illustrator上でのデータチェック、データの入稿をスムーズに進めることができます。
印刷データ作成初心者でもトラブルなく入稿作業を行えることから近年注目されているサービスです。
まとめ
印刷通販は安価・短納期で印刷物を作ることができる画期的なサービスとして注目を集め、利用者を着実に増やしています。
一方で印刷通販に入稿するための印刷用データを自分で作るためには、Word、PowerPoint、Illustrator、InDesignなどのソフトを使って、紙面づくりを行う必要があります。
従来の印刷会社は紙面づくりの段階からお手伝いしながら印刷物の作成を進めていくのですが、ほとんどの印刷通販ではそうした役割を担うことはまだできていません。
とはいえ、印刷物は印刷通販を利用することでかなり安価で作れるようになっています。
このような情勢を受け、印刷通販では、利用者を増やすべくグラフィック系ソフトのスキルがそれほどなくても印刷物が作れるようなプログラムの開発に注力し始めています。
たとえば、ネット印刷会社のプリントアースでも、サイト上に多種のテンプレートを用意して、より多くの方が利用しやすいサイト作りを行っています。
安価かつ高品質な印刷物を作りたいという方は、これを機に「プリントアース」を利用してみてはいかがでしょうか。
プリントアースではサイトに掲載していない仕様、例えば色上質紙での印刷なども柔軟に承ることが可能です。ホームページに掲載されていない内容でもお気軽にお問い合わせください。