は(印刷DTP用語集)

歯(H)
写植の際に、字間や行間を指定するときの単位で、単位の表記はH。1歯送り1Hは0.25mmです。手動写植機に付いている歯車のピッチが、1つ動くと0.25mm移動して印字されるところから生まれた用語。1歯=0.25mm=1Qとなり、「歯」と「Q」は同じサイズを示しますが、「Q」は文字サイズのみを示します。
ハーフトーンスクリーン情報
出力先の線数や網の角度などを指定する情報のことをいいます。網目の形(網点形状)には円以外に、四角形や線状、楕円形のものがあります。新聞の写真はスクリーン線数が75線~85線程度で、通常の印刷物ではスクリーン線数が133線以上あれば写真の印刷も問題ありません。細かなディテールを要求するなら150線以上が理想的です。ただし、印刷する紙との関係も考慮する必要があり、たとえば粗い紙に高いスクリーン線数で印刷してもインクのにじみなどの問題があり実際には意味がない場合があります。通常はDTPにおいて、ハーフトーンスクリーンはデジタル処理され、これをデジタル・ハーフトーンスクリーンといいます。デジタル・ハーフトーンスクリーンの処理法には、濃度パターン法、誤差拡散法などがあります。
倍胴型
ユニット型枚葉多色オフセット印刷機において、前の印刷ユニットの圧胴から印刷紙を受け取り、次の印刷ユニットの圧胴に渡すための胴において、胴径が版胴の倍径のものを倍胴型といいます。
ハイファイカラー
1. 広告用語。あらかじめグラビア輪転機などでカラー印刷された巻取り紙の裏面に、新聞輪転機でニュースや広告を追加印刷する方法のこと。記事の印刷と裏面の絵柄との見当合わせは行わず、デザインはどこで断裁されてもよいような絵柄に限定されます。

2. CMYKの4色で構成される従来のカラー印刷に、RGBの3色のインキを加えて7色で印刷する手法。二次色を加えることで、明度・彩度とも高くできるため、高彩色印刷ともいいます。
ハイライト
写真や絵画など色に諧調のある原稿で、明るく濃度の低い部分。印刷物では最小網点や紙の白さで表現されます。最も明るい部分は「ハイエスト・ライト」と呼びます。まれではあるが、画像にコントラストを強く付けたものをハイライトという場合もある。反対語はシャドウといいます。
ハイライト版
印刷技術用語。原画の白色部分を強調するために、白色部の網点を取り除いた写真版のこと。普通の写真版では白色部分にも網点が入りますが、二重露出やレタッチでこの網点を消し、光輝部分を強調したり、逆にさし絵などの線描きの部分には網点をかけずに濃淡の部分だけに網点をかけます。
パウダースプレー装置
パウダーとは、印刷された用紙が積み重なっていく際に、用紙間に散布される微細な粉のことをいいます(主成分はでんぷん)。印刷後、インキが半乾きの状態で紙が積み重なると、裏移りなど、インキが上下の用紙に付着してしまう問題が発生します。そのため、一般的なオフセット印刷では、印刷された用紙が積み重なるデリバリー部分に、パウダースプレー装置を設置してパウダーを散布します。紙と紙の間に微細な隙間ができ、紙同士が密着しなくなります。密着させないことにより、酸化重合によるインキの硬化を促す効果もあります。パウダーの大きさは15~50ミクロンと様々なサイズがあります。
パウチ
接着性の高いポリエステルフィルムを印刷物に熱圧着させる加工方法です。各種カードやメニューなどに利用され、印刷物に対するラミネート加工の俗称です。パウチは印刷物を保護したり、色落ち・摩耗を防いだり、美観を良くしたり、高級感を増すことができ、不正な改ざんも防止できます。
箔押し
文字や模様の凹凸対の型で、表側に当たる型に金箔・銀箔などを貼り付けて、熱と圧を加えて紙に凹凸を施す加工のこと。目立たせたい場合に効果的です。ホットスタンプともいいます。箔を貼らずに型押しする加工は、空押(からおし)と呼びます。ホログラム箔押しや転写箔押し、ラバー版押し、盛り上げエンボス加工、ウエルダー併用箔押しなどといった特殊な箔押しもあります。
はさみツール
Illustratorの機能で、パスをクリックした位置で切断するためのツールです。
ページの上部・下部など、本文以外に入れた書名・見出し・タイトルなど。ページ検索を助ける役目を果たします。偶数奇数両ページに入れる両柱(りょうばしら)と、奇数ページのみにいれる片柱(かたはしら)があり、本文の活字より小さくするのが普通で、書体は基本的に本文書体と同じものを使用します。縦組み(縦柱)と横組み(横柱)の2つの形式があります。縦柱の場合は小口の余白の天側、横柱の場合は天または地の余白の小口側につけるのが基本です。
端物
チラシ・ポスター・葉書などのページ物以外の印刷物を呼びます。ペラ物ともいいます。読み方は「はもの」。英語ではoddment。
バックアップローラー
グラビア輪転印刷機の圧胴を上からバックアップし、圧胴のたわみによる押圧の逃げを防ぎ、全体に強い印圧をくわえるためのローラーです。最近の印刷機では、圧胴の内部構造に工夫をして、たわみによる圧の逃げを防止し、バックアップローラーをなくした印刷機もあります。
発行
図書・新聞・雑誌などを印刷して、世に出すことをいいます。
パピルス
カヤツリグサ科の植物の一種。古代エジプトでは、パピルスの地上茎の内部組織(髄)を使って、文字の筆記媒体として使用されました。「紙」を意味する英語の「paper」やフランス語の「papier」などは、パピルス(papyrus)に由来します。当時使用されていた一枚のサイズ(幅)は、最上質のものでは24cmほど、最も大きくて40cm程度であり、また、長さは25cm~30cmほどで、厚さは0.1mm~0.25mm。薄片を二層に接着して作るという構造上、表裏で繊維の向きが異なります。また折り曲げに弱いため冊子状にすることは難しく、そのため、数枚から20枚程度のシートをアラビアゴムで長く繋ぎ合わせて巻物として使用されました。800年頃に中国から紙の製法が伝わるとやがて生産されなくなりました。
バレープリント
型押しと同時にその凹部にも色付けを行う印刷のことで、合成皮革や壁紙などの印刷時に用いられます。一般的には、熱可塑性の被印刷体を予備加熱し、凸部にインキづけした彫刻版などの版胴で被印刷体にエンボスを施します。それと同時に、被印刷体の凹部に色づけを行います。谷染め印刷ともいいます。
番号印刷
伝票や会員カードなど、一枚一枚に固有の番号をつけていく印刷のこと。印刷方式によって、連続番号での印刷やランダムに選んだ番号での印刷に対応できます。
反射原稿
イラストや印画紙焼きした写真など、光を当ててその反射光によって分解(製版)する原稿。プリントした写真やイラスト、印刷物が代表的です。類義語として「紙焼き」があり、反対語は「透過原稿」。反射原稿は透過原稿に比べて、原稿の濃度幅がかなり狭く、解像性も劣ります。また、サイズや拡大・縮小率が異なりやすく、さらに、原稿の表面性状(グロッシー、マット、シルク等)によっても影響が出てくるので注意が必要です。モノクロ製版では反射原稿が主に使われます。
版づら
印刷物の判型から周囲の余白を除いた部分。本文や見出しの活字・罫線類が印刷されます。「はんめん」ともいいます。製版の基準寸法については「版づら寸法」といい、断裁のときの裁落とし分を含んだ寸法を示します。
パンフレット
比較的ページ数の少ない会社案内、商品説明書、各種マニュアルなどに利用される小冊子のことを指します。英語表記はpamphlet。直接的な宣伝広告の色合いを排したい場合は「ブックレット」、デザインやレイアウトに工夫を凝らして図版を多用する高級なパンフレットは「ブローシャー・ブローシュア」と呼ばれます。

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