た(印刷DTP用語集)

耐候性インキ
紫外線による退色に耐性を持たせた特殊インキです。印刷物は紫外線を浴びることで劣化するのが早いため、おもに屋外に掲示されるポスターや看板の印刷に使われます。一般的なフルカラー印刷では構成色のCMYK4色の中で、退色しやすいのは、Y(イエロー)とM(マゼンタ)、退色しにくいのは、C(シアン)とK(ブラック)です。
耐刷力
ひとつの印刷版で印刷できる限界の通し枚数のことです。印刷機のシリンダやローラーにもこの特性が要求されます。印刷物の品質が明らかに低下し始めたときが、その印刷版の寿命が尽きたと定義されます。
退色
印刷物や紙などの色が変色し、薄くなる現象。湿気や紫外線など外気の影響に加え、時間の経過だけでも退色は進行します。退色に耐性を持たせたインキは「耐候性インキ」と呼ばれ、屋外掲示のポスターや看板などに使われます。
タイプライター
文書を作成するための補助として使われた機械です。活字が仕込まれたキーをタイプし、カーボン紙やインクリボンを介して、紙の上に文字を印字する。1800年代のイギリスで生まれたとされ、1900年代には欧文のタイプライターは標準化。その後電動式や電子式など、産業技術の発展とともに進化していくこととなります。日本でも1900年代に入りカタカナの印字を可能にしたタイプライターが存在したが、ひらがなや漢字の印字には対応できなかったため、西欧諸国ほど普及はしませんでした。国内において文書作成装置が一般に広まるのは、1970年代終わりに「かな漢字変換」機能を加えた日本語ワードプロセッサが登場してから普及しました。現在ではタイプライターのハード面での技術開発は極めて限定的で、コンピューター上のソフトウェアとして利便性が追及されています。
タイポグラフィ
印刷物の可読性や視認性を高めるため、活字の書体(フォント)や字体の大きさ(ウェイト)、文字と文字との間隔(カーニング及びスペーシング)、行と行との間隔(レディング)、活字が占める領域の配置や構成(レイアウト)などを整える技法の総称。単に活字の指定だけを指すのではなく、商品名を表すロゴなどグラフィカルデザインもタイポグラフィに属します。
ダイリソ印刷
ブランケットを使用せず、平版で直接、紙にインキを印刷する方法。ダイレクトリソグラフィの略です。湿し水とインキを同時に版に与えて印刷するのが特徴で、凸版から平版に新聞の印刷方法が変わる過程で、アメリカの新聞発行者協会技術研究所(ANPA‐RI)によって改造し開発されました。
ダイレクト印刷
刷版を作らず印刷を行う方式。またはこの方式を利用した印刷システムのこと。オンデマンド印刷などのプリント方式で、レーザープリンタやインクジェットプリンタで出力する場合などがこれに当てはまります。製版フィルムの出力コストやプリプレスの作業時間が削減されるため、低コストが実現する反面、品質面では少し劣る場合があり、資料集やテキストなどを小ロットで印刷する場合などに利用されます。
ダイレクト刷版
別名CTP(computer to plate)。DTPで作成されたデータを、イメージセッタなどを用いて版に直接出力する方法です。従来は、レイアウトソフトで作成したデータを印画紙や製版フィルムに出力してから製版していましたが、現在はCTPによって直接、刷版に焼き付けることが可能になっています。
台割表
ページ物の印刷物の制作する際に、表紙から裏表紙までの全ページに至る構成と内容を確認できるようにした表のことをいいます。編集段階から印刷・製本工程までのチェックシートとして使います。ページ数が増えるほど、全体の把握が難しくなるので作っておくとミスを防ぐことに役立ちます。
多角形ツール
Illustratorの機能で、正多角形のオブジェクトを作成するツール。画面上をドラッグするか、クリックして表示させたツールオプションウィンドウで、半径と辺の数を指定することによっても描けます。
タコ印刷
インキを盛った凹版に、弾力性のあるシリコンゴムのパッドを圧着させて、その表面にインキを移した上で、被印刷体に転写する印刷手法。別名パッド印刷。シリコンゴムが使われるようになる前は、ゼラチンなどが利用されていた。ゴムやゼラチンなどやわらかい物質を使用することから、タコ印刷と呼ばれます。
多色印刷
本来は、製版や印刷の方法に関係なく、2色以上のインキを使って刷り重ねることの総称。現在は、CMYKの4色以外にインキを追加して印刷することを指すようにもなっています。6色印刷の「ヘキサクローム」やCMYK・RGBと7色分解する「スーパーファインカラー」などがあります。
断ち落とし
写真やイラスト、網やパターンといった図版をページの仕上がり線より3ミリ程度はみ出させて配置する技法です。仕上がり線ピッタリに合わせて図版を配置すると、断裁した際に意図しない余白ができることがあるため、あらかじめ仕上がり線を越えるように図版を配置し、余白ができないようにしておく。図版の仕上がり線からはみ出した部分は「塗り足し」と呼ばれます。
縦中横(たてちゅうよこ)
縦組み(縦書き)の文書の中で横組み(横書き)の表現をすること。JIS X 4051の規定によって「たてなかよこ」とは呼びません。縦中横の処理は、一般的に2文字~3文字の数字などに対して行われる処理です。文字を回転し、文字方向を一定の方向に保つことで読みやすさと見栄えを向上させることを目的としています。
ダブルトーン
単色(モノクロ)原稿に対して、2種類のグラデーションの異なる製版フィルムを用意して版を刷り重ねる技法です。スクリーンの角度を変えた2種類の製版フィルムを作成し、1色で2度刷り重ねるか、2色の異なるインキを刷り重ねて行います。使える色の数に制限がある状況で、写真やイラストを美しく見せるテクニックとして使われています。
タブロイド判
新聞判型の一種で、通常の新聞の半分程度の小型のものを指します。一般紙やスポーツ新聞などの大きさのものは「ブランケット判」と呼ばれ、中綴じで針金は打たないのが一般的です。
試し刷り
本刷りの前に行われる印刷のことで「仮刷り」とも呼ばれます。原稿と突き合わせ、誤植や体裁上の不備を正し、デザインや発色の確認も行う。発色の確認を行う校正を「色校正」と呼びます。
断裁
印刷・製本の加工工程のひとつで、印刷された紙や白紙を断裁機で切る作業のこと。印刷・製本の事業所、断裁機メーカーによっては裁断・裁断機という表現を用いることもあります。
段組
「段」とは文章などをレイアウトする際に同一ページをいくつかの段に分けた場合のひと区切りのこと。つまり「段組」は1ページを2段以上に分けて組むことを指します。表組・写真などの大きさはこの段の単位で設定される場合が多く、マルチカラム(コラム)デザインとも呼ばれ、書籍、雑誌、新聞などで広く用いられる手法です。
ダルアート紙
印刷された部分のみ冴えた光沢が出るようになり、印刷されてない白紙面は光沢が抑えられて、ダル調の仕上がりになります。塗工紙のつや消し仕上げのひとつです。高級感のある用紙であり、高級美術書・写真集・雑誌の表紙・ポスター・カレンダー・カタログなどに用いられます。
ダルマット紙
上質紙をベースにマット系の塗料を塗布した用紙のことを指します。印刷されていない部分の光沢が抑えられ、インクがのった印刷部分は光沢が出るようになっています。印刷の彩度はあまり落ちず、光沢を持った状態で印刷される紙です。

50音順