い(印刷DTP用語集)

イキ
校正紙に書き入れた訂正・修正を取り消すことで、「もとの状態を活かす」という意味です。校正記号や修正の文字を線で消して、そばに「イキ」と書き込みます。また、写真やイラストなどの枠の輪郭をそのままいっしょに印刷してほしいときは、「ケイイキ(罫を活かす)」と書き、逆にあくまでも製版のための目安として扱い、印刷したくないときは「ケイアタリ(罫は当たりをつけるだけに使う)」「ケイシニ(罫は活かさない=死なせる)」と書きます。
板紙
梱包輸送用ダンボールなどに使われ「ボール紙」とも呼ばれます。日常生活で最も身近な厚紙であり、再生紙が多く使われることから自然環境にも優しく、厚く固いのが特徴です。白板紙のように表面を化粧紙で覆ったものも存在します。
糸かがり綴じ
冊子の綴じ方の一つで、本の背に穴を開けて糸でかがっていく綴じ方です。接着剤のみで留める他の綴じ方に比べて、一般的に強度があるとされます。表紙がハードカバーのものは、この方法で綴じられることが多いです。
イミテーションアート紙
パルプに多量の填料を配合して作られた、強い光沢をもつ印刷用紙で、強度に優れ白色が映えるため名刺や高級印刷物で多く使われます。
色あわせ
指定色の見本に合わせてインキを作ることです。一般的には色あわせの処方例を掲示した見本帳(DICやPANTONEなど)に沿ってインキを混ぜ合わせます。見本帳に掲載されていない色に関しては適当なインキを混ぜ合わせて指定色を作ります。
色かぶり
カラー印刷や写真などで、自然な色にならず全体的に色のついたフィルターがかかったような印象になってしまうことです。 撮影場所の光源などの影響によって、余計な色が重なってしまうのが原因です。例えば、蛍光灯の下で撮影すると、緑色がかった写真になりやすく、蛍光灯には人間の視覚では気づけないレベルの緑色の光が含まれているためです。また、スキャナーで取り込んだ画像には青みがかった色が加わりやすいです。色かぶりは、Photoshopなどのフォトレタッチソフトを用いれば補正できる場合もあります。
色校正
カラーの印刷物の色の仕上がりを事前に確認する作業のことです。又は、確認するための校正刷りのことです。
色上質紙
製紙段階で染料で着色した上質紙のことです。略して「色上」とも言います。淡クリーム書籍用紙は含みません。色上質紙に単色印刷をすると、2色印刷をしたような効果を得られるが、仕上がりは予想しにくい。
色刷り
赤や青など、黒以外の色を用いて印刷したカラーの印刷物を指します。もっとも一般的なオフセット印刷の「フルカラー印刷」ではC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色をかけ合わせることで、さまざまな色彩を表現できるのが特徴です。
色パッチ
印刷物に刷られるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の印のことです。単に「パッチ」と呼ぶこともあります。印刷時に、各色の濃度が適正かどうかを確認したり、色抜けがないかを確認するために使用します。また、積み上げた印刷物を側面から見ると色パッチがきれいに揃うため、印刷がズレたり折れたりしていないかどうかの確認ができます。
色分解
カラー原稿を印刷するために、原稿の各色をフィルターを通して、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、およびグレーバランスを整えるためのブラック(K)に分けることを言います。
色ぼかし
印刷物の指定色に対して、ハイライト(明るい)からシャドウ(暗い)まで、連続的に平網の濃度変化をつけることを指します。
色分かれ
「色むら」とも呼ばれます。複数の顔料が混合されたインキの乾燥過程で、表面に特定の顔料が浮いてしまい意図しない色が現れる現象です。混合した顔料の比重や分散度に差がある状況で、インキの内部対流現象が引き金となって起こります。
色補正
コンピュータとディスプレイ、プリンター、スキャナなどとの間で色合いを調整することです。カラー画像の入出力装置が本来の色を表していない時や、入出力装置の間で色合いが一致しない時には、色補正を行って調整をします。「カラーキャリブレーション」と呼ぶこともあります。なお、カラー画像の制作者が、制作意図に基づいて意識的に色合いを変更することも「色補正」に相当するが、この場合は「カラーキャリブレーション」とは呼びません。
インキ(インク)
顔料や染料を含んだ液体で、文字を書いたり表面に色付けするために用いられる溶剤を指します。油性、水性、ジェルなどの分類によって性質が異なり、印刷で用いるものは「インキ」、それ以外の用途で使うものは「インク」と呼ばれることが多い。日本で古くから使われている墨もインクの一種といえます。一般に油性インクは長時間未使用のまま保存するとインクが固まってしまい、水性インクは保存性こそ優れているが水に濡れると滲んでしまう欠点を持ちます。印刷用のインキはおもに顔料、媒剤、添加剤から構成され、被印刷媒体や印刷方法の違いによって、高粘度のジェル状のものや低粘度の液状のものを使い分けます。
印刷
インキにより、紙などの媒体に文字や絵、写真などの画像を再現すること。印刷方式には、有版式、無版式があり、有版式の中にも、凸版、凹版(グラビア印刷)、平版(オフセット印刷)、孔版(スクリーン印刷)といった種類があります。現在は、短時間で大量のカラー印刷が可能なオフセット印刷が主流。無版式では、高性能レーザープリンターやインクジェットプリンターなどを用いて印刷するオンデマンド(デジタル)印刷が広く活用されています。
印刷圧
印刷工程において印刷版やブランケット面に乗っているインキを、原紙に転写するために加える圧力のことで、略して「印圧」と呼ばれることも多いです。凹凸など特殊加工がなされた原紙に対しては印刷圧を強くする傾向にあり、反対に薄かったり壊れやすかったりする原紙に対しては印刷圧を弱めるのが一般的とされます。
印刷局
独立行政法人国立印刷局の略称。東京都港区に本局を置く特定独立行政法人で、全国に7つの工場(虎の門、滝野川、王子、小田原、静岡、彦根、岡山)を持っています。局内の印刷部門では紙幣や切手、証券類や政府刊行物などの印刷が行われています。それらに使用する用紙の製造は製紙部門が担当し、また、出版部門では官報や法令全書など政府刊行物の編集と制作が行われ、研究開発部門においては紙幣の偽造防止技術などの研究開発が行われています。
印画紙
表面に感光性の乳剤が塗布されている感光紙。通常はフィルムの原寸より大きな像を得るため、引き伸ばし機を用いて拡大投影した像を記録します。編集作業において写植の焼き付けなどを行い、出力されたものを版下として使用します。
インクジェット
低価格帯のカラープリンターで主流となっているインキの塗布方法。同じインクジェット方式を採用していても、プリンターの違いによってインキの吹き付けかたにさまざまな工夫が施されています。黒色の表現ひとつを取っても、黒インキのカートリッジを単体で使うものや、3色のインキを混合して黒色を作るものなど、さまざまなタイプのプリンターが存在します。
印字
紙や印画紙、フィルムなどに文字や符号を打ち出すことです。また、打ち出された文字や符号そのものを指します。
印刷版
オフセット印刷機に取りつけられたアルミ版などを指し、略して「刷版」とも呼ばれます。一般的には製版フィルムを感光させてつくるPS(Pre-sensitized Aluminum Plate)版と、製版フィルムを介さずコンピューターからダイレクトに出力するCTP(Computer To Plate)版が存在します。
インデックスカラーモード
RGBの256色で表現されるカラーモードのことで、gif画像などがこのカラーモードです。web用のカラーモードで、色数に制限があるので、印刷にはあまり適していないカラーモードです。
インデント
DTPソフトで、文書作成時に文字列の開始位置をずらす「字下げ機能」です。段落ごとに設定でき、文章を見やすく整えるために使用します。

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