く(印刷DTP用語集)

クイックオフセットインキ
油性で粘度が高いオフセットインキのひとつで、通常のものより乾燥が早いという特徴のインキです。表面を印刷した直後に裏面を刷り始めることができるので、印刷納期を短縮したいときに使用します。
グーテンベルグ
ヨハネス・グーテンベルク。ドイツ出身の金属加工職人で。1445年ごろに活版印刷技術を発明し、旧約・新約聖書(ラテン語版)を印刷したことで知られます。彼が開発した印刷システムは急速に普及。大量の印刷物を生み出し、ルネサンス期における情報伝播速度を飛躍的に向上させました。
口絵
書籍や雑誌などで、巻頭に入る写真や絵のこと。本文の前に、別丁で「口絵」を入れる場合もあります。また、本文がモノクロであっても、「口絵」は別の紙を使ってカラー印刷することもあり、本文と用紙を変えれば、「口絵」ページを効果的・印象的に見せることができます。
口糊
表紙と見返しとを接着させる方法です。本や雑誌の切断面となる、前小口側の一部(幅15mm)に糊(のり)を塗布し、見返しと表紙とを接着させます。また、封筒のフタ部分に糊が塗布されていることも「口糊」と呼ばれています。封筒の口糊加工は、用途に合わせてアラビア糊や両面テープ、ホットメルトなど、いくつかの加工方法があります。
グラデーション
グラフィックデザインの手法の一つで、異なる2色の濃淡が段階的に変化していく表現のことをいいます。明度や彩度の差を使用して、色のボカシを施したもので、「階調」「連続階調」ともいいます。「階調」の場合は、色のなめらかな推移ではなく、2色間にいくつの中間色を持つかという精度の値を示すことが多いです。
グラシンペーパー
化学パルプを長時間圧縮・平坦化し、強力な圧力でローラー加工した薄紙。半透明で耐脂性に優れており、薄さのわりに強度が高く、身近なものとしては書籍や菓子の包装紙としてよく使われています。
グラビアインキ
グラビア印刷に用いられる溶剤蒸発乾燥型インキ。プラスチックフィルムなどに多く用いられ、レトルト食品やスナックの袋などに使用されています。 組成成分の違いによって「トルエンインキ」「ノントルエンインキ」「水性インキ」の3種類が存在します。かつては印刷適性の高さや乾燥の早さからトルエンインキが多く使われていましたが、引火しやすく健康や環境に影響があることから、トルエンの含有量0.3%未満に押さえたノントルエンインキが台頭し、最近では水とアルコールから組成され有害物質を排出しない水性インキが注目を浴びています。いずれのグラビアインキも食品包装袋などの着色に使われる場合は、袋全体にラミネート処理が施されるため、インキの匂いや成分が食品に移る心配はありません。
グラビア印刷
「グラビア印刷」は、凹版印刷の一種で、微細な濃淡が表現できるため、美術書や写真集など写真画像の印刷に適しています。オフセット印刷やフレキソグラフィー印刷と同様、回転式の印刷機を使用します。シリンダ(ロール状の版胴)の上に印刷イメージが彫り込まれ、凹んだ版面を活かした印刷となっています。印刷用紙は、枚葉紙(シート状の用紙)ではなく、ロール紙を使います。雑誌のグラビアページは芸術印刷が「グラビア印刷」だった時代の名残です。現在は、グラビアページのほぼすべてオフセット輪転で印刷されています。
グリッド
DTPソフト上の格子状のガイドのことです。[表示]→[グリッドにスナップ]にチェックを入れておくと、オブジェクトを移動させるときに、グリッドに沿って吸着してくれるので、きれいにそろえてデザインを整えることができます。
グレースケール
画像を、白黒写真のように白から黒までの明暗だけで表現することをいいます。色の情報を含まない「モノクロ」のことで、印刷データにおいては、ブラック(K)1色刷り面を「グレースケール」(CMYKのK版のみを使用した色指定)で作成する必要があります。配置する画像もPhotoshopなどで、「グレースケールモード」へ変換します。一見モノクロのCMYKで表現された黒/グレー、RGBモードで作成された黒/グレー、レジストレーションカラーは、実はCMYK4色のデータ。「グレースケール」とはならないため、モノクロ印刷の際には注意が必要です。
グレーバー
印刷の面付け時に、仕上がり領域外に配置する印刷管理マークのことを指します。「グレースケールバー」とは別物。製版・印刷の色や濃度が正確に反映されているかを確認する。刷版への「グレーバー」の出力状態を管理すれば、製版の品質管理を行うことが可能です。なお、「グレーバー」を配置すると、版すべてにそのマークが出力されます。
グロス
印刷面に光沢・ツヤを出す加工のこと。紙の表面に塗料を塗布した塗工紙の中でも、印刷光沢を出した紙を「グロス系」と呼びます。白紙光沢、印刷光沢ともに高く、写真を中心とした印刷に適しています。例えば高級美術書、写真集、ポスター向けのハイマッキンレーポスト・アートといったアート紙。高級美術書や雑誌のカラーページ向きのコート紙。高級カタログ、カタログの表紙などに使われる、ミラーマルチ紙・ミラー上質紙といった「キャストコート紙」があります。
くわえ
一定のサイズに切り揃えられた枚葉紙を、印刷機に引きこむ時、用紙を送るためにグリッパー(爪など)で引っかける部分のこと。この余白部を「くわえ代(しろ)」といい、印刷用紙の端に10mm前後の余白が必要になります。「くわえ代」には印刷することができず、化粧断ちによって落とされる。そのため、完成した印刷物に「くわえ」が残ることはありません。

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