へ(印刷DTP用語集)

ヘアライン
Illustratorの設定で、線に対して塗りの指定があって、線幅がゼロ(空欄)の極細ラインをヘアラインと呼ぶます。ヘアラインは、出力ができても印刷では再現されません。印刷する場合は、線幅は0.25pt以上に設定します。
平圧印刷
ラベル・シール印刷で広く使われている印刷方法で、平らな版に対して平らな圧盤で圧力をかけるのが特徴です。印刷版と圧盤を水平にセットし、圧盤が上下運動することで強い印圧を与えて、版面から紙やフィルムにインキを転写させています。少量多品種の生産に適した印刷方式です。また、印圧を高くすることができ、印刷した文字や画線に鮮明かつ力強いといった印象を与えます。
平体(へいたい・ひらたい)
文字の天地を縮小し、横に平たく変形させた字体のことをいいます。変形の度合いは「平体1」「平体2」というようにあらわし、「平体1」であれば正体に対して90%の文字の大きさになります。本文中に頻繁に使用することはなく、見出しやタイトル文字をデザインする場合や、スペースに対して文字が多すぎる場合などに使用して余白を調節します。
平版
版面は明確な高低がなく平らな印刷の版です。化学的な処理により、インクの付着する親油性の画線部と親水性の非画線部を作成して、水と油の反発しあう性質を利用してインキを紙に転写します。オフセット印刷は、同じ版方式と理解され、現代日本の出版物の多くが平版オフセット印刷で刷られています。平版は、刷版上の画像が反転していないため、間違いなどが見つけやすく、高速かつ大量の印刷に適しています。また石版印刷(リトグラフ、リソグラフィ)も平版の一種です。
平版グラビア
通常のグラビア印刷機は、版胴から印刷紙などに直接印刷を行います。一方、平版グラビアでは版胴から印刷紙などに直接印刷をせず、版胴と接しているゴム胴に一度転移させてから被印刷物に印刷します。これは合板などの厚い被印刷物の印刷に使用する方式です。
ページ物
書籍、辞書、雑誌、新聞、フリーペーパー、カタログ、パンフレット、広報誌など、ページ数が複数ページあり、組版仕様が一定している印刷物のことをいいます。基本的には中綴じ・無線綴じ・平綴じ・あじろ綴じなどで綴じられた印刷物ですが、綴じられず挟み込み(綴じ無し製本)をした印刷物もページ物と呼びます。なおページ物の反対語は端物(はもの)、もしくはペラ物といいます。
ベースラインシフト
DTPソフトの機能。和文フォンと欧文フォントを組み合わせて文字を並べるとき(和欧混植)、文字の並びが揃わない、どちらかが下がって見えるといったときに、フォントを上下(縦組みの場合は左右)に移動させる機能のこと。
ベタ組み
文字の組み方のひとつ。文字の字送りを文字サイズと同じ値で組むことをいいます。もしくは、字間を「0」にして組むことをいいます。写植でもInDesignやQuarkXressなどのレイアウトソフトでも、字送りのデフォルトは通常「ベタ」になっています。通常の文字組版は、ベタ組みが標準です。ただし、文字のデザインは仮想ボディより多少小さく作られているため、実際の文字の大きさと仮想ボディの間にアキがあり、ベタ組みだと字間にこのアキができ、これを嫌って「詰め組み」もよく行われます。
ベタ刷り
インキ濃度が100%の色、または100%の色同士の掛け合わせによる色の印刷を指します。多色刷りでは、同じベタでもブラックのベタとシアン、マゼンタ、イエローのベタでは印刷した際インキの見え方に違いがあるので注意が必要です。
別紙(べつがみ)
冊子印刷やカタログ印刷などで、本文と表紙の用紙で異なる紙質のものを使用することを指します。これにより、印刷物の質感の向上や持ちやすくなるなど利便性が向上することがあります。別紙の場合、本文と表紙は別々に印刷することになるため、本文のみのページ数を印刷の用紙に面付けする上で都合の良いページ数になっている方が印刷のコストが抑えられます。
別刷り
書籍・雑誌などの一部を、本文とは別にその部分だけ色・用紙などを変えて印刷することや、その印刷物そのもののことをいいます。紙やカラー・モノクロといった違いのある素材で印刷することを指すことだけではなく、特定の部分を抜き取る形で印刷することなどを指す場合もあります。後者の別刷りのことは「抜き刷り」や「論文別刷」などともいいます。
ペラもの
1枚の用紙でできている印刷物のことを指します。主に、チラシ、ポスター、名刺、ポストカード、フライヤーなどがペラものとして挙げられます。他にも、複数ページの資料などで無線綴じや中綴じされていない、ホチキス留めの印刷物の特定の1ページを指してペラと呼ぶこともあります。

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