ふ(印刷DTP用語集)

ファンシーペーパー
美しい意匠による装飾を施した用紙の総称のことをいいます。艶紙、マーブル紙、パール紙、型つけ箔押紙、レース紙、シルクスクリーン印刷紙、花模様印刷紙などがあります。それぞれに個性的な色・風合いを持ち、美的感覚を刺激する高い装飾性が特徴です。ブックカバー、表紙、ノート、POP包装紙、高級化粧箱の貼紙など、幅広く使用されています。色、紙質、紙厚、加工の組み合わせによって、無限に表現がひろがります。
封筒
手紙や文書などを封入する袋。英語ではenvelope。何も入っていなければ「枚」、中身が入っていると「封」と数えます。大きさは日本工業規格で決まっていて、長形・角形・洋形に分類されます。また、中身の印刷物に書かれた宛先を封筒の宛先として利用できるようになっている「窓付き封筒」は、ダイレクトメールや業務用として利用されます。書類の保存用として、開閉を繰り返すことができるように玉紐(ひも)が付いた封筒もあります。
フォトタイプオフセット印刷
1970年代後半頃に存在した軽印刷。Photo Type Offset の頭文字を取って「PTO印刷」ともいわれました。フォトタイプオフセット印刷は、タイプライターで印字した原版を版下としてPS版に焼き付け、小型平版印刷機で印刷しました。1980年代からは、組版はタイプライターから写植機に移行したため、PTOとオフセット印刷の区別はなくなりました。
フォーム印刷
事務用帳票の印刷で、売上伝票、請求書、給与明細書などの事務手続、事務管理などに用いる書式の決まった帳票印刷のことをいいます。印刷と同時に、ミシン目やパンチ入れ、ナンバリング、シートカットなどの加工にも対応。印刷には、オフセット、凸版、フレキソ、グラビアなどの方式が用いられます。
フォント
同書体の文字群をデザインしたデータ、あるいはその書体のことをいいます。ビットマップフォントやスケーラブルフォント、ストロークフォント、アウトラインフォントなどがあります。デジタルフォントの書体を「フォント」、旧来の活字や写植文字を「書体」と区別することもあります。
複合パス
DTPソフトの機能。外側を残すために使用し、外側を隠して内側を残すクリッピングマスクの逆の機能です。くり抜いて背景を見せることができます。
袋とじ印刷
片面にのみ印刷し、その面を外側にしてちょうど半分に折った時に、半面がそれぞれ1ページになるように印刷することをいいます。ページ数の多い文書などは、すべてを袋とじ印刷して順番に並べて綴じることで製本することができます。裏面に印刷しないのでインクの裏写りは防げますが、両面印刷の場合よりも2倍の用紙が必要になります。
ブックレット
小冊子のことで、リーフレット、カタログ、パンフレットよりも小型でページ数の少ない印刷物のことです。
フラットベッドスキャナ
コピー機のように、透明なガラス台の上に画像原稿を固定して、下から反射光により画像を読み取るタイプのスキャナで、スキャナとしては最も一般的なタイプです。上からカバーをかけることで原稿が固定でき、外光も遮断できるため、精度の高いスキャンができます。
ブラインディング
印刷中に画像部にインキが付着しなくなり,画像濃度が低下する現象のこと。原因は版面の画像部が摩耗により擦り減ったため,もしくは湿し水やインキ中の親水物質が画像部に堆積し親油性を失い,インキを寄せ付けなくなる原因で現象がおこります。
ブランケット
オフセット印刷においては、まず版につけられたインクがブランケットに移り、ブランケットに付いたインクが用紙に印刷されます。ブランケットはゴム製のシートと布製のシートを重ねあわせたシートで、均一に転写するために表面がゴム製のブランケットが使用されます。ブランケットは、圧胴に装着するクッション材として用いることもあります。
プリフライト
プリフライトチェックとも呼ばれ、出力前にきちんとした出力ができるデータかどうかをチェックすること。不適正なデータで出力すると、エラーでデザインデータ通りの出力ができないなどのトラブルが発生します。デザインデータは誰でも作れるようになったが、それが出力に適したルールで作られたデータかどうかのチェック工程は重要です。ソフトによってはプリフライト機能を備えたものもあります。PDF入稿の場合、Adobe Acrobatのプリフライト機能を活用します。
プリプレス
デザイン、割付、文字組版、画像処理、製版など、印刷(プレス)以前のすべての工程の総称です。プリプレスのうち、組版や製版の主な部分をパソコン上(デスクトップ)で行うのがDTPです。近年はコンピュータを駆使した多機能処理が可能になり、印刷業界では第四の波とまでいわれました。
プリンタ(プリンター)
印刷用機器の総称です。コンピューターからの情報の出力に用いられるプリンタのほか、印刷会社にあるような印刷機、平面状ではなくジェル状の物質や3次元物体への印刷を可能とした機器も存在します。
フレキソ印刷
凸版印刷方式の一種で、紙などの印刷対象物に押し付けて転写する木版画のような印刷方式で一般的な凸版印刷と比べて軽い印圧が特徴です。版の素材はゴムや合成樹脂。柔軟で弾性のある版を使用します。版の耐久性はないが、他の印刷方法に比べて版を作りやすく低コスト。インキは水性インキとUVインキといった液状のインキで、ベタ印刷に優れており、日本ではダンボール印刷で広く用いられています。
プレスコート
表面加工の代表的なもののひとつ。印刷物の表面に、アクリル酢酸ビニールなど熱で固まり光沢を出す塗料を塗布し、熱風乾燥させ鏡面版(ステンレス製)でプレスします。そうすることで印刷物の表面にフィルムを貼ったような鏡面仕上げが可能になります。主にパッケージなどに使用され、ニスよりも高価で、光沢や強度はニス引きより高いのが特徴です。
プロセスカラー
通常のカラー印刷物で使われるシアン(藍/C)・マゼンタ(紅/M)・イエロー(黄/Y)・ブラック(墨/K)の4色のこと。この4色の掛け合わせで、あらゆる色が表現できます。DTPソフトでは、CMYKの組み合わせで色を指定できます。
ブロッキング
インキが乾く前に過度な圧力が加わることで、重なった紙が接着してしまうことをいいます。インキの盛り過ぎが原因となる場合もある。ブロッキングが起こったまま次の工程に進むと、接着した用紙がはがれる際に紙がむけてしまいます。ブロッキングを防ぐには、印刷面全体にブロッキング防止用パウダーを吹き付けると防ぐことができます。
分色校正刷
カラー印刷はC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(墨)という4色の重ね刷りで表現します。分色校正刷は1色ずつ単独印刷したもの、および2色、3色と刷り重ねていった各段階の校正印刷物を指します。
文化用紙
文化的な目的をもって使用される用紙のすべてを指します。産業用紙に対して使われる用語で、筆記および各種の印刷用紙のことも含んでいます。

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