き(印刷DTP用語集)
- 菊判(きくばん)
- 洋紙の原紙サイズの一つで寸法は939×636mm(3尺1寸×2尺1寸)。A列本判よりやや大きいサイズ。または「菊判」原紙を16裁したもの(寸法150×220mm)を指すこともある。ちなみに「菊判」の語源は、輸入紙の商標がダリアの花であり、ダリアは菊に似ていることやこの紙が新聞に使用されており、新聞の「聞」の字は「きく」と読むこと、菊は皇室紋(菊花紋章)であることなどの理由から菊の花を商標にし「菊印判」として売り出し次第に菊印判が流行しました。いつの間にか菊印判を略して菊判と通称されるようになりました。
- 機密印刷
- ICカードや、パスワード認証を使って、紙文書からの情報漏えいを防止することが目的の印刷方法です。
- 逆目(ぎゃくめ)
- 紙は木材の繊維から作られており、その繊維の流れによって「タテ目」と「ヨコ目」という「紙の流れ目(紙目)」があります。印刷用紙の紙目に平行の方向で印刷されると、曲げやすく折りやすい「順目」になりますが、直角だと「逆目」で曲げにくく折りにくくなります。「逆目」で製本されると、紙が波打ちやすくなるなど、印刷の仕上がりに大きな影響を与えます。
- キャストコート紙
- アート紙よりも鏡のような強光沢の表面を持ち、平滑性の優れた高級印刷用紙のことを指します。コーデットペーパーの一種で、紙の表面にクレイなどを塗工して、乾燥する前に鏡面状のシリンダ面に押し付けてから乾かしています。キャスト面の紙はインキを吸い込む性質があるため、インキが乗った部分がややマット調な仕上がりとなり、裏面の紙は銘柄によって違い、表と裏で異なる紙表面を使い分けられることが魅力の用紙です。
- キャプション
- 本や雑誌など印刷物に掲載されている図版や写真について、説明のために付け加えられた文字情報のことを指します。英語の「caption」が、「タイトル、見出し」や「説明」という意味を持っていることから使われています。掲載されている図版や写真などが何を示しているのかを言葉で補足することで、よりわかりやすく内容を伝えることが可能となります。
- 級数
- 組版や写植で用いられている文字の大きさを表わす単位の一つで、1級は写植機の歯送り幅と同じで、1mmの1/4である0.25mmです。「級」は「Q」とも表記しますが、これは「Q」が英語の「quarter(=1/4)」の頭文字を取ったことに由来します。他にインチを基準にした「ポイント(pt)」があります。
- 清刷り(きよずり)
- 写真製版の版下として用いるために、原版から平滑な白紙もしくは専用のプラスチックフィルムへ鮮明に刷った印刷物のことです。校正を終えた活版から上質紙に原稿を印刷した印刷物自体のことも「清刷り」といいます。また、ロゴやマークなどを原画として使用できるよう、上質紙に印刷したシートのことを指す場合もあります。ロゴやマークなどの「清刷り」は、色や形の標準となる見本で使用することがあります。
- 金赤
- 一般的には、プロセスインキのY(黄)100%とM(紅)100%をかけ合わせて再現した、やや黄みがかった鮮やかな赤色のことを「金赤」といいます。七宝焼や江戸切子のガラス工芸で、赤の発色に金(金粉)を使用したことが名前の由来です。
- 曲面印刷
- 三次元の立体曲面をもつ製品に対する印刷のことを指します。被印刷体の形状や用途によってスクリーン印刷の他、凸版印刷やオフセット印刷、タコ印刷などさまざまな印刷方法が用いられます。これら以外にも不規則な形状に対応するためさまざまな技法が開発されており、鉄製のパッドや粘土を用いたもの、水圧を利用したものなどユニークな技法も存在します。
- 近似色を選択
- Photoshopの選択機能のひとつ。すでに選択している色に近い色を全て選択してくれます。同じような機能として自動選択ツールなら《許容値》に応じてワンクリックで近似色を選択してくれます。
- 禁則処理
- DTPなどで、読みにくさや紛らわしさを避けるために、強制的・自動的に文字を移動する処理のことです。原稿用紙に文章を書く場合の禁則と同じルールで、DTPソフトなどにも組み入れられています。例えば、行頭や行末に、句読点や記号などが配置される場合、文章が読みにくくなるため、強制的に配置する場所を移動させる。「、」や「。」といった句読点を、行頭から前の行末へ送ることを「追い込み」。そのまま行末にはみだす処理を「ぶら下がり」。また、行末に「(」や「¥」など記号が置かれた場合に行頭へ送ることを「追い出し」といいます。
Illustrator、Photoshop、InDesignで、日本語の改行を調整する禁則処理のプリセットがあり、句読点など行頭や行末にきてはいけない禁則文字を調整します。段落パレットの禁則処理で「弱い禁則」と「強い禁則」が設定できます。 - 金属印刷
- 金属表面に対して行われる印刷のことで、その材質や形状に応じてオフセット印刷やスクリーン印刷、UVインクジェット印刷などが用いられます。金属板という硬い表面にインキが乗っているため、乾燥だけでは色の固着ができない場合があり、そのため焼き付けを加える他、特殊な樹脂でコーティングしたり、保護フィルムでラミネートすることもあります。
- 斤量(きんりょう)
- 「斤量(きんりょう)」とは、印刷用紙の重さの単位です。元々用紙の重量の単位に「斤(きん)」を用いていたことに由来します。