か(印刷DTP用語集)

解像度
ディスプレイの表示能力やプリンタの印刷能力、写真画像など、きめ細かさや画質の滑らかさを表す尺度のことをいいます。画像を表現する細かさのことで、1インチあたりのドット数で表します。単位は、「dpi」(dots per inch)。値が高いほど、より自然に近い画質が得られる。解像度が低いと、画像や文字に「ジャギー」と呼ばれるギザギザになります。
改版
印刷物の原版を新しく作り直すことです。辞書や書籍などの出版物では、内容を訂正するため新たに印刷版を作成し、印刷と発行をします。そうして訂正された出版物を指します。
拡張子
ファイルの種類を示す3~4文字の文字列のことで、ファイル名のうち「.」(ピリオド)で区切られた右側の部分です。拡張子には、OSが規定するもののほか、アプリケーションソフトが独自に定めるもの、慣習としてOSやアプリケーションソフトに関わらず広く利用されるものがあります。具体的には、Microsoft Excelで作成したファイルには「xls」、テキストファイルには「txt」、JPEG画像には「jpg」という拡張子がつきます。拡張子とアプリケーションソフトを対応づけることができ、ファイルのアイコンをダブルクリックするだけで対応づけられたアプリケーションソフトを起動することができます。
角版
写真やイラストを正方形や長方形など、四角い形で使用することや、正方形や長方形の形でトリミング(切り抜き)することです。これに対し、円や楕円は「丸版」、輪郭に沿った形で使うのは「切り抜き版」といいます。
飾り罫
装飾的な模様でできた罫線のことをいいます。
画像
2次元平面上に描かれた静止画像のことです。コンピューター上の静止画像はデジタルカメラの写真や、コンピューターグラフィックスから生成されたものなどがあり、自動的または半自動的な画像処理や認識に向いています。コンピューターグラフィックスのデータ形式はビットマップ形式(拡張子がbmpやjpegなど)とベクタ形式(拡張子がaiやcdrなど)に大きく分けることができます。日本において「画像」と呼ぶのは、画素単位の情報を保持するビットマップ形式のイメージを指します。ベクタ形式のイメージは「図形」と呼ばれます。
カタログ
商品などの内容について説明しているものです。案内書、説明書など。
活字
活版印刷の際に必要となる方形柱状の字型です。鉛や木に字の形を刻み込み、そこにインキをつけることで字のスタンプとして機能するものを指します。しかし広義においては、写真植字の文字盤やデジタルフォントなど、活版印刷と関係のない文字も「活字」と呼ばれています。
活字組版
活版印刷の用語で、活字を並べて結束糸で縛り、印刷版として組まれたものを指します。現代では活字の保管や前工程の煩雑さから活版印刷はほとんど行われていません。DTP環境下での紙面構成作業を「レイアウトを組む」と呼ぶなど、活字組版からの名残りが残っています。
活字鋳造機
ドイツ出身の金属加工職人で、活版印刷技術を実用化させたグーテンベルグの発明品です。母型という文字が凹状に刻まれた金属板を丸い金具のついた機器に装着し、活字合金をその器具に注入し、遠心力を利用して合金を母型に打ち付け活字を鋳造する仕組みです。この鋳造機のおかげで活字の複製が容易になり、活版印刷技術が大きく発展しました。
角オプション
InDesignで長方形やパスの角に丸みを付けたり、角の形を簡単に変更ができます。[オブジェクト]→[角オプション]から設定し、CS2までは[角の効果]で同じ作業ができます。
角丸
印刷物の角を丸く仕上げる加工のことをいいます。角が折れ曲がったり、くっついたりするのを防ぐとともに、印刷物に柔らかい印象を持たせることができます。
カットパス
一般にアドビ社のアプリケーションソフト「Illustrator」のペンツールで引く線を意味する「パス」の中でも、断裁する場所を指示する線のことを「カットパス」といいます。
活版
活字を組み合わせて作った印刷版で、小説など文章を読ませる印刷物を刷る際に活用されていました。
活版インキ
凸版印刷に用いられるインキのひとつで、オフセット印刷でよく使われる合成樹脂を配合した樹脂型インキと、食用にもなる亜麻仁油を配合した植物油型インキのふたつのタイプが挙げられます。一般に樹脂型インキは乾燥するまでが早く、植物油型インキは空気乾燥でゆっくりと固まります。
活版印刷
かつて新聞や雑誌など、文字を多用する印刷で使われてきた印刷方法で、活字を並べた組版を鉛版や樹脂版に複製して印刷を行います。写真や絵画などカラー刷りを行う場合は「原色版」と呼ばれ、口絵や美術書の印刷に使われることがありました。一字ごとに個々の印刷版を用意しておく必要があるため、印刷の前工程でかかる手間は膨大で、写真植字(写植)が登場し、DTP(デスクトップ・パブリッシング)によるデジタル製版が一般的となった現在ではあまり使われることがなくなりました。
壁紙印刷
現在では「グラビア印刷」と呼ばれている凹版印刷の一種です。 もともとは黒一色のモノクロで写真の細かいグラデーションを表現するために開発された印刷方法で、カラーインキが普及している現代においても写真画像の印刷に適しています。特殊なシリンダを使うことでインキの量を自由に調節し、写真の濃淡や明るさなど微妙な変化を印刷に反映できます。なお、雑誌でよく見かけるグラビアページは「写真といえばグラビア印刷」とされていた時代からの名残です。
植物などの繊維を絡ませながら薄く平らに成形したものです。その用途はさまざまで、包装や筆記、情報の記録や伝達を担う媒体として幅広く使われています。原料と製法の違いにより、梶の木や雁皮をすいて作られる和紙と、木材を原料として機械で製造する洋紙に大別され、割合としては機械による大量生産が可能な洋紙が圧倒的なシェアを占めています。日本では1873年に欧米の機械を導入した洋紙工場が初めて設立されました。印刷を前提とした用紙の分類だけで、表面を顔料などで塗工せず筆記性や表面強度を高めた「非塗工印刷用紙」、表面に塗料を塗布し美感や平滑さを高めた「塗工印刷用紙」、塗料の量が塗工印刷用紙よりも少ない「微塗工印刷用紙」、官製はがきなどに代表される「特殊印刷用紙」、コピー用紙や感熱紙などが属する「情報用紙」の5種類が存在します。
紙クロス
紙に色や型付けなどをして布(クロス)に模したもの。装飾や製本の強化を目的として、本の表紙や背の部分に使われることが多いです。
紙さばき
自動給紙装置において紙が複数枚重なって流れることを防ぐため、紙と紙の隙間に空気を入れて静電気を除去する作業のことをいいます。
紙目
紙(パルプ)の繊維が並んでいる流れ目の方向のこと。繊維が紙の長辺側に平行に流れているタテ目(T目)と、短辺側に平行に流れているヨコ目(Y目)があります。紙目と平行に折ったり破ったりすることは簡単にできるが、紙目に逆らうように折ったり破ったりすることはできにくいという特性があるため、タテ目とヨコ目は制作物の内容や目的によって使い分けます。例えば冊子の場合、仕上がりの綴じ目と、紙目が同じ方向でないと、開きにくい本になってしまいます。ちなみに手漉きの紙などには縦横の紙目はありません。
カートン原紙
厚手の紙にポリエチレンなどをラミネートし、強度と水分への耐性を高めた原紙です。「カートン用紙」とも呼ばれます。耐水性があるので牛乳やジュースなどの液体容器、紙カップなどに用いられることが多いです。
カーボン紙
書類の間に挟み複写を行うために用いる感圧紙のことです。筆圧が感圧紙を通じて下の紙に伝わり、感圧紙が裏写りする仕組みになっています。領収書など筆記具で複写をとるために使われていましたが、印刷時にカーボンインキを塗布できる「カーボン用紙」や、書類を汚さずに複写ができる「ノーカーボン用紙」が発明されると需要は減少しました。
カーボン印刷
領収書や納品書など、おもに筆記具で複写をとるスペースにカーボンブラックなどの着色料を塗布をしておく印刷方法です。一般的に用紙の裏側に着色料の印刷を行います。複写可能な用紙としては感圧紙(ノーカーボン用紙)も存在するが、感圧紙が水に弱く、数年程度の経過で複写部分が薄くなるのに対し、カーボン印刷された用紙は湿気に強く、耐光性にも優れているため長期保存に適しています。
カラーグラビア
カラーの写真原稿を色分解し、色分けされた印刷版からC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色の版を製作し、最後にその4色を刷り重ねる印刷方法です。原稿の美しさをダイレクトに反映できるため、写真原稿といえばカラーグラビアで刷るのが常識とされ、その名残で雑誌巻頭の写真ページが「カラーグラビア」と呼ばれています。
カラーチャート
シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の比率を変えながら、標準の用紙に標準色を用いて印刷した色の見本のことです。画像システムの色彩再現性をチェックするなど、色の比較・測定に使用します。カラーチャートを見ると、例えば、「C60%+M20%+Y10%+K0%の場合、このような色で印刷される」ということが分かります。ただし、指定のインク、指定の紙、指定の製版方法で刷った場合、という条件がつきます。
カラートーン
カラーイラストなどに用いられる着色されたスクリーントーンのことです。裏面に接着剤が塗布してあり、必要な形状にカットしてデザインワークに用います。時間経過や紫外線で退色するため保管が難しく、最近ではコンピューターによる着彩やデータ入稿が浸透してきたため製品自体が市場から姿を消しつつあります。
カラーバー
印刷の面付けの際に、仕上がり領域の外に配置するマークのことで、正確に製版・印刷が行われているかを確認するための印刷管理に使用します。正しく製版・印刷されていない場合には、正しい場合と色の順序が異なったり色が大きく変わったりします。
カラー分解
カラー原稿の色を、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のCMYK4色に分け、それぞれの色で印刷用フィルムを作成することです。2色以上のインキを使うカラー印刷では、使用するインキの色の数だけ製版用のフィルムを作るため、この作業が必要となります。このフィルムから印刷用の刷版を作り、順に刷り重ねることで色を再現します。色分解、カラーセパレーションともいいます。
カラーマネージメント
スキャナやモニタ、カラープリンタ、印刷機などの異なる機器間において、色の特性を考慮し、入力から表示、出力までの色再現に整合性を取れるように管理することをいいます。 印刷業界など色の再現性が特に要求される分野では、この管理が重要となります。
カラー設定
GBからCMYK変換や、アプリケーション間での色合わせの基準となる最も重要な設定項目です。設定はIllustrator、Photoshop、InDesignの[編集]メニューからすることができます。
カラープルーフ
カラーの校正刷りのことで、色校正ともいいます。プリンタカラープルーフやデジタルコンセンサス、本機校正など、再現性の異なるさまざまな校正刷りがあります。
ガラス印刷
ガラス板やガラス容器などに行う印刷のことで、曲面など不規則な形状に対応できるスクリーン印刷のひとつです。身近なものとしては飲食用のガラスビンに記載されている賞味期限やロット番号などが挙げられます。
ガリ版
鉄筆を使って印刷する簡易印刷機のことで、正式名称は「謄写版」(とうしゃばん)といいます。蝋(ろう)を引いた原紙に鉄筆で文字や図形などを描いて作った型紙を絹スクリーンに密着させ、上からインクのついたローラーで押圧して印刷します。「ガリ版」という呼びかたは、鉄筆で原紙をこするときの「ガリガリ」という音に由来します。
完全原稿
修正する必要がないように仕上げられており、印刷所にそのままの状態で入稿が可能な原稿。
感圧紙
筆記具の筆圧によって複写をとる加工紙で、「ノーカーボン用紙」とも呼ばれます。湿気に弱く時間経過で複写部分が薄くなってしまうため、長期保存を目的とした使用には不向きです。領収書や納品書など重要な伝票として使うのであれば、紙の裏面にカーボンブラックを塗布する「カーボン用紙」のほうが、湿気に強く耐光性にも優れています。
カンプ
デザインの仕上がり見本のこと。広告などの制作において、制作物の完成品のイメージを具体的に示すために作られます。「カンプ」という名前は、英語の「comprehensive layout」が省略されたものであり、「comprehensive」は「包括的な」「総合的な」という意味をもちます。カンプを見て、デザインが制作意図に沿っているかを確認したり、デザインや調和やバランスを保っているかを検討したり、あるいは発注主に対するプレゼンテーションなどを行ったりします。
顔料
物に色を着ける際に用いる粉末で、水や油に溶けない粒子の大きなもののことを指します。粒子が小さく、水や油に溶けるものは染料と呼ばれます。顔料は主に、塗料、インキ、合成樹脂、織物、化粧品、食品などの着色に使われます。顔料は染料に比べると比較的耐水性があり、にじまないが、色素数は少なく濃度も低い。
仮製本
冊子の綴じ方の一つで、糸か針金で綴じた中身に表紙をつけて、一緒に化粧断ちして仕上げます。「仮綴じ」「並製本」ともいいます。
間紙(かんし)
合紙(あいし)とも呼びます。印刷物の数量を分かりやすくするために、紙と紙、製品と製品の間に一定数量ごとに挟み込む紙のことをいいます。印刷や製本の際に、裏移り防止の役割も果たします。
観音開き
扉などが中央からちょうど左右に2分されるような形で開閉する方法。また、そのような形で開閉するもの。印刷物の場合、見開きページが左右から内側に折り込まれ、仏壇の扉を開くように広げると、左右一連の見開き(4ページ)になる。観音開きになるような印刷物の加工のことを「観音折り」といいます。雑誌やパンフレットに用いられることが多いです。
官報
法令や政令、条約などを公報するために、独立行政法人国立印刷局が発行している定期刊行物。昨今のメディアの多様化を受けてインターネット版「官報」も掲示されるが、こちらは「官報の補完的役割を果たすもの」と定義されており、印刷物とウェブサイトで役割が区別されています。インターネット版「官報」のウェブサイトにおける掲載期間は掲載日から30日間に限定されており、その期間を過ぎて閲覧する場合は、図書館や官報情報検索サービスを利用する必要があります。

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